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整然とした部屋に沢山の武士が集まっている。
その中でも位が高いと思われる武将が口を開いた。
「政宗様、奥州平定まことにおめでとうございます。」
彼が頭を下げる先には、ひとまわりもふたまわりも小さな体の―ともすれば子供に
見える―武将。
彼の名は伊達政宗。
ここにいる全ての武士を束ねる、そしてこの度奥州全土を掌握した武将である。
奥州平定という快挙を成し遂げて、喜ばない者はいないだろう。しかし、彼の場合
は違った。
「奥州ごときでめでたい?バカめ。わしは天下を取る!」
「天下には数多の英雄がおる。」
その英雄たちを蹴散らし、天下を取る。
それが今の政宗の野望。
「まずは越後、そして甲斐、信濃をいただく。」
奥州を出た政宗達が向かったのは、川中島。
ここでは、今まさに武田軍と上杉軍がぶつかり合おうとしている。
「武田、上杉、どちらに味方します?」
敵の大群を見据える政宗に、傍らにいた武将が問い掛けた。
普通ならば、どちらかについたほうが楽に勝てるに決まっている。
そう、普通なら。
「どちら?バカめ。どちらも叩く!」
「かかれ!天下取りの第一歩だ!!」
てなわけで川中島。
「…早いの。」
「何しろ先が長うござります故、きりきりと巻いてゆこうと思いまする。」
実も蓋もない事を言う小十郎。
長いといっても大してステージも無いが、などという禁句を飲み込んで、政宗は
戦国無双キャラとして当たり障りの無いことを口にした。
「それもそうか。」
「は。やはり殿の場合は敵を倒すに少々時間がかかりま」
棒刀とて当たり所によっては死に至る事もあるのだと云う事を、少々乱暴に己の
家臣団に知らしめておいて、政宗は本陣を後にした。さっさと技能ポイントを溜め
て、攻撃範囲の広がるアレを取得してやると心に誓いながら。
それはさておき、武田と上杉。相対するその布陣を脳裏に浮かべ、一度は抜け出
した陣地へ踵を返した。
(いや、先に向こうをを落とすか…)
武将の数か多く、厄介な武田軍を先にと、狙いを定めた。
走る先には武将が一人。
それを見た政宗は、おもむろに手近の雑兵を乱打した。
「ぎゃあ!げふ!ごは!」
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この場をお借りしてお礼申し上げます。
砂押 かず子 サマ
流季 サマ
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